自宅モニタリング環境の問題点 - 解決編
ヤバいですね、続きを書くのを忘れていました・・・
前回は、どうやら問題は我が家にある事が分かった所まで書いたのですが、ではどこに問題があるのかっと言うところまでは言っていなかったので、その辺りから書きます。
このときのレイアウトは、画像の様な感じで、デスクの上にスピーカーを置いている感じで、構成としては AT6098 を導入した頃を変わっていません。
(細かいレイアウトは、下の方の図を見てください。)
机の上に、以前使っていたパッシブスピーカを横に寝かせ、その上に AT6098 を噛ませて BM5A と言う感じです。
画像では、後ろがカーテンになっていますが、実際には、手前の鍵盤が置いてあるエレクターと位置を交換しているので、スピーカーの裏側には壁があると言う感じです。
で、まず AT6098 の代わりに MoPAD を噛ましてみましたが、変わらず。
机ごと壁から離してみたりしましたが、やはり変わらず。
で、このような作業を 130Hz のサイン波を出しながらやっていた訳ですが、それで気がついたんですけど、机の天板が振動しいました。
手で触れるとブルブルするのが分かるくらいに振動していたと思います。
試しに、スピーカーを取り外して机から離して 130Hz を聴いてみましたが、全く問題なしです。
響くような感じもしないですし、スウィープ波でも前後の音域と綺麗につながっています。
っと言う感じで、偶然ですが原因を発見しました。
WaveSpectra の作者さんが作っているソフトですが、WaveSpectra 同様非常に便利なツールです。
机が原因っぽいっと言う事で、とっさに思いついたの解決法がスピーカースタンドの導入。
机の上にスピーカーを置いているのは良くない事は分かっていたので、この機会にスピーカースタンドでも導入しようかと言う感じです。
ただ、少し気になる事があったので、チョット実験をしてみました。
デスクトップPC の上に使っていないパッシブスピーカーを重ねた簡易スピーカースタンド(危険です・・・)を作り、BM5A を乗せます。
この状態で、ゆっくりと机を BM5A に近づけて行ってみます。
机が十分に離れている時には共振の様な問題は発生しないのですが、スピーカーに机が近付くにつれて徐々に振動が発生し、普通に机とスピーカースタンドとして使うような距離に持っていくと完全に共振が発生しました。
音量にもよると思いますが、スピーカーの全面と机の背面が 50cm 以内になると問題が発生していたように思います。
まぁ、導入を検討していたスピーカースタンド(RKST-90)と比べると高さが違いますし、そもそもの素材が全く違うので、何とも言えませんが、机の上に乗っているから問題が発生している訳ではない事が分かりました。
念のため、機材屋さんで働いている知人にも相談してみましたが、スピーカースタンドの導入だけでこの現象を解消するのは難しいとの事。
その知人も同様の現象に悩んだ事があるらしく、同じく机が原因だったそうで、色々と対策を教えてもらったのですが、本人も言っていましたがあまり現実的な方法ではなかったので別の対策を考えてみる事にしました。
(教えてもらった対処法とは、机の上に薄手のマットレスを敷き、炬燵の様な感じで床まで垂らすというような感じ。。。うーん、ストイックすぎます・・・)
と言う感じなので、なんとかレイアウトを変更して解決できないか、やってみました。
まず、改善前のレイアウトですが、机と Home ERECTA を画像の様な感じで L字にくっつけて、机の上には、液晶ディスプレイ(HYUNDAI W241DG)を中心に左右に BM5A、前には PCのキーボードが乗っています。
エレクターの上には、ミキサー(Mix. 260FX)と鍵盤(Korg R3)が置いてあります。
上記の写真とでは、机とエレクターの位置が変わっていますが、単純に入れ替わっただけで、乗っているものに殆ど変りはありません。
で、とりあえずレイアウトはそのままで、BM5Aをエレクターの上に持ってくる事でどの程度改善できるのかをテストしようと思い、BM5A をエレクターに乗せテストをしてみました。
結果、幾分軽減したようにも感じますが、机側のスピーカーに限って言うと、机に共振しているような感じ残っていました。
まぁ、図を見て頂くと一目瞭然ですが、かなり机が近いですから仕方が無いと言う感じ。なので、とりあえず部屋から机を撤去し、再度テストを実行。
だいぶ良くなりましたが、若干唸っている感じが残っていました。
色々調べてみると、エレクターの上に敷いているアクリル板が振動しているのを発見...
一応、アクリルボードの上にはミキサーとかが置いてあるんですが、あまり関係ないみたいです。
と言う事で、アクリル板も撤去したところ、かなり改善されました。
130Hz のサイン波を聴き過ぎて耳が麻痺しかけていたので、鈍感になっただけかと思い、机を近づけてみたところ全然違います。
そんな感じで、とりあえず音楽系の機材をエレクターに全部載せて、机はなるべく離れた場所に置くような感じでレイアウトしなおしたのが、改善後のレイアウトです。
基本的に、ノートPC以外はすべてエレクターに載せました。
この状態で、スウィープ波などで色々とチェックをしていったのですが、130Hz は良くなりましたが、若干ですが 140Hz がブーストされている感じがします。
実は、この傾向は 130Hz と格闘している時からありましたが、130Hz が突出しており、同じ原因だと思いこんでいましたが、ちょっと違う見たいです。
全ての機材をエレクターに載せた事により、キャスターで一気に移動できるようになったので、エレクターを移動して部屋の色々な位置に移動して試した感じ、140Hz は部屋の隅(改善前の図でエレクターと机に囲まれたデッドスペースっぽい部分)に近ければ近いほど大きくなるようで、LR のスピーカーを入れ替えたり、エレクターを窓の前に持ってきたりしてみましたが、あまり変化はありませんでした。
逆に離せば良くなるのですが、改善後の図でエレクターを右の方向に移動した場合、140Hzは改善されましたが、75Hz~85Hz 辺りがブーストされ出しました。
しかも、そのままエレクターを壁から離して行き、部屋の中心の辺りまで持ってくると、70Hzが物凄い事になってしまいました。
これは、凄かったです、床が振動する感じです。
隣の部屋でヘッドホンでゲームをしていた嫁が、ビックリしたくらいですから相当なレベルです・・・
もうこれは、公害と言っても良いくらいでしたね。
物凄く不快でした。
と言う感じで、これ以上はちょっと厳しいかなぁ...と思い、今のところは様子を見ています。
今まで、吸音材とかには全く興味が無かったんですが、なるほどやはりこう言う事を改善していくとなると、配置と吸音材などを駆使してやって行かないと完璧な状態にはならないんでしょうね。
まぁ、生活空間と一体になっている環境では中々難しいです・・・
まったく今回の問題と関係ないのですが、この作業を行って、音楽系の機材をエレクターにまとめた事によって、非常に作業がやりやすくなりました。
「怪我の功名」と言うやつでしょうか?
机も、本当に机として使えるようになったので、作業台として活躍しています。
コメント
通りすがりでもない
130Hzと解っているのであればPCとアンプの間にグライコでも挟んで130Hz落としてあげればいいんじゃまいか。
恐らく今回の問題は配置と吸音材で解決出来る物では無いと思うよ。
道草から通りすがりでもないへの返信
> 通りすがりでもないさん
コメントありがとうございます。
なるほど、確かにその手もありますよね。
前回 も書きましたけど、「サクラ イン マイ ライフ」という曲では同じようなアプローチをしています。
まぁ、これは思いっきりソースに手を入れているのですが・・・
まぁ、130Hz 近辺に限って言うと机を取り払って解決したので、これで良いかなぁ…と言う感じです。
まだ問題は残ってます(140Hzとか)けど、そこまで酷くは無いので、Mixするときには問題点を意識して脳内補完で行こうかなぁ・・・言う感じですかねぇ・・・
後は、メンバーの家などで確認して、補完しあうと言うのが現状ベストかなぁ・・・と思っています。
適当なグライコが手元にあれば試したいんですけどね。。。
と言うより、これ以上音響に手を出したくないと言うのが正直なところですね(笑)
底が見えなくて怖いです。
通りすがりでもない
> まぁ、これは思いっきりソースに手を入れているのですが・・・
ソースに手を入れてしまうと元も子も無いので、「スピーカーに合わせて環境を作る」のでは無く「環境に合わせてスピーカーを作る」と言った感じですかね。
プロスタジオやPAの現場でも素材の共振や壁反射の共鳴は避けられない(特に低音)ので、だったら原因の周波数を出元で削ってしまおうと言う考え方です。
[ PC(最終Mix) ] ─ [ アンプ ] ─ [ スピーカー ]
恐らくこうなってんのかな?これを、
[ PC(最終Mix) ] ─ [ EQ ] ─ [ アンプ ] ─ [ スピーカー ]
としてあげて、EQを弄ってあげる訳です。こうすればソースには手を加えず、アウトされるスピーカーの出音(特定周波数)だけを削ってあげる事が出来ます。PAではハウ取りによく使う手法ですし、スタジオでも出音の調整によく使いますね。
ちなみに測定方法ですが、スピーカーからホワイトノイズを鳴らして適当なマイクで拾います。
ホワイトノイズ-(収録音-マイク特性)=環境特性
勿論個人でやるには限界がありますが、マイク握って部屋をうろつくだけで環境特性が解ってきますよ。
ま、ここまで個人でやる人はあんまりいませんがwww
> これ以上音響に手を出したくないと言うのが正直なところですね(笑)
> 底が見えなくて怖いです。
確かに懲りだすと際限ないです・・・ハイ。
道草から通りすがりでもないへの返信
> 通りすがりでもないさん
そうですね、我が家の環境は
[ PC(最終Mix) ] ─ [ ミキサー] ─ [ アンプ ] ─ [ スピーカー ]
となっていますので、
[ PC(最終Mix) ] ─ [ ミキサー] ─ [ EQ ] ─ [ アンプ ] ─ [ スピーカー ]
と言う感じで、ミキサーの後に EQ って感じでしょうか?
生活空間でモニターしているので、あきらめている部分が大きかったんですが、なるほどこの方法なら、どうにもならない問題にもある程度対処できそうですね。
なんだか色々すみません。
凄く参考になります!!
> ちなみに測定方法ですが、スピーカーからホワイトノイズを鳴らして適当なマイクで拾います。
> ホワイトノイズ-(収録音-マイク特性)=環境特性
これは、面白そうですね!!
機材があったらぜひ試してみたいです。
> 確かに懲りだすと際限ないです・・・ハイ。
際限がない、その過程をも楽しみ出してしまうのが怖いところですよね(笑)