自宅モニタリング環境の問題点
前回のライブ告知の最後でチラッと書きましたが、Love Freedom は昨年11月くらいからレコーディングをしていました。
で、その時に自宅のモニタリング環境に重大な欠点がある事が発覚し、その見直しで年明け早々大変だったので、今回はその話です。
簡単に書くと、130Hz近辺の音が共鳴する感じで、その周辺にピークがあると非常に気になると言うか、低音なので唸る感じがして非常に不快でした。
主にベースやストリングスで発生していたのですが、原因を調べて行ったら次々と問題が発覚し、どんどん深みにハマって行く感じでしたねぇ・・・
長くなりそうな予感がしますが、まずは経緯から。
最初にこの問題が気になり出したのは「サクラ イン マイ ライフ」と言う曲の作業中でした。
Love Freedom のレコーディングで、私が最終的な Mix を担当する事は無いのですが、ギターのバランスに関しては、最終Mix前に自宅である程度やってしまいます。
そんな感じで作業をしていたところ、間奏部分で低音部分がやたらと鳴っている部分がある事に気がつきました。
何と言うか、唸っているような不快な音です。
そこで、他のメンバーに説明し、各自の環境で聴いてもらったのですが、特に気にならないと言う回答が返ってきました。
結果的には、この時点で自宅の環境を疑った方が良かったんですが、漠然とモニタリングに使っている機器の低音の再生性能の違いなのかなぁ...位に思っていました。
で、Cubase のスペクトラムアナライザを使って気になる部分を見てみると、129Hz がピークになっていました。
低音が唸るように感じる部分は数か所あったのですが、調べてみると全ての個所で 129Hz がピークに来ていました。
トラック全体の統計を見ても、やはり 129Hzがピークになっていたので、別な問題があるかもしれません。
そんな感じで、ギターのミックスをするついでにベースとストリングスのトラックにEQを掛けて129Hz近辺の音をカットしたところ、見事に唸りが消えました。
で、再度メンバーに聴いてもらったのですが、違いが分からないという答えが返ってきました。
もともと唸っていると感じている訳ではないので、当然ですね。
実際、「カットした」と言ってもやり過ぎると低音部分がスカスカになってしまうため、「抑えた」っと言う表現が正しいと思いますが、私の環境では唸りが弱まって聞き取りやすくなりました。
まぁ、ここで終わっていたら、たぶん問題には気がつかなかったでしょうね。
が、まだ続きます。
次に、129Hzが問題になったのが、「星になるまで」と言う曲でした。
作業の段階としては、最終Mixの確認って感じだったと思いますが、サクラと同様に唸っている部分がある事に気がつきました。
ただ、既に最終ミックスの作業に入っていたので、実際に最終Mixを行っているメンバーの家で再度確認し、必要ならその場でカットする事に。
が、メンバーの家で聴いてみると場所的にはベースが前に出てくる箇所なのですが、唸っているような不快感はありません。
と言う事で、特に処理せずにマスタリングに回す事にしました。
(聞こえていない唸りをその場でカットすると取り返しがつかなくなる可能性があるので・・・)
この段階で、自分の家の環境が他のメンバーと違うと言う事はハッキリとしたのですが、モニタースピーカーの特性の違いくらいにしか感じていませんでした。
と言うのも、私は dynaudio acoustics BM5A を使っているのですが、Mixをするメンバー家にあるのは FOSTEX NF-01A で、私が楽器屋さんなどで聴き比べた感じでは、NF-01A と比べると BM5A の方が低音が出る感じがしていたからです。
(この表現は正確ではないので補足すると、BM5A は柔らかい感じの中低音なのに対して NF-01A は硬めの中低音で、BM5A の方が直感的に唸りそうな感じの音と言うだけです。)
まぁ、半分自宅の環境を疑っていたのですが、あえて見ぬフリと言うやつですね。
そんな感じで、この時点で怪しいとは思いつつもそこまで真剣には考えていませんでした。
ここまでが丁度、昨年のクリスマスくらいまでの出来事です。
で、年末は実家に帰る予定だったので、マスタリングのサンプル確認は実家でやりました。
実家には、NS-1000M と言う YAMAHA のスピーカーがあります。
名前からして NS-10M と同時期のスピーカーだと思われるのですが、NS-10M でよく言われるような低音が出ないような印象はないです。(と言っても、このサイズの他のスピーカーを使った事が無いので何とも言えませんが・・・)
むしろ、私が普段接しているアクティブニアフィールドのスピーカー達と比べたら、音量・音圧ともに無理なく出てくる印象です。ありきたりな表現ですが、まさに「フラット」と言う感じがピッタリだと思います。
しかも、田舎なので日中なら爆音で聴くことが出来きます。
モニタリングの環境としては、自宅よりもむしろ良かったりするのですが、マスタリングされたサンプルを聴いて確認しましたが、低音の唸りの様なものは全く感じませんでした。
ここまで来ると完全に自宅の環境がおかしい事が確定しているんですが、念のため CDラジカセとかでも聞いてみましたが、低音が唸る様な事はありませんでした。
そんな感じで、新年早々自宅のモニタリング環境を見直すことになってしまったのですが、長くなったので続きはまた今度。
毎回、実家に変える度に思うのですが、今回自分たちの曲を聴いて改めて思いました。
難を上げると、あまりにも綺麗に音が聞こえてくるので、ミックスの粗がハッキリと分かってしまう事ですかねぇ(苦笑)
いつか東京へ持ってこようと思っていますが、まぁ、サイズ的にキツイですねぇ・・・
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