Q6600でOCに挑戦!!(CPUクーラー編 2)

前回は、峰COOLER を導入するも期待した冷却性のが得られず、結局 CPUクーラーを再検討することに決定したところまで書きました。

実は前回 CPUクーラーを選んでいる段階で気になっていた製品があります。
それが、Ultra-120 eXtreme です。

口コミを見ている限りかなり冷えるらしいです。
が、結構いい値段するんですよねぇ・・・
しかも、マザーボート干渉しそうで心配だったので候補から外しました。

一番不安だったのが、Ultra-120 eXtreme はバックプレート式だと言うことです。
しかも、Thermalright のマザーボード互換リストのページを見ると GA-P35-DS4 には「条件付で対応」となっていて「Crazy Cool を外さなくてはいけない」となっていました。

GA-P35-DS4 rev. 1.0 の裏

よく考えてみれば私が使っている GA-P35-DS4 rev. 1.0 には Crazy Cool なんて付いていないので関係ないんですが、2ヶ月前に組んだ PC のマザーボードの裏がどのような形状になっていたかを正確に記憶しているはずもなく、最初の検討段階では保留にしました。


が、峰COOLER を取り付ける際にマザーボードをケースから取り外して作業をしたので、裏を確認してみたら CPU の裏には特にプレートのようなものは無く、それが原因で取り付け不可能という事はなく、実際 GA-P35-DS4 rev. 1.0 に Ultra-120 eXtreme を取り付けている人もいるようでした。
(この辺り、GA-P35-DS4 はリビジョン違いが多いので情報を収集するのにかなり苦労しましたが・・・)

峰COOLER も口コミやレビューを見る限りでは冷却性能が低い CPUクーラーではなかったので、それ以上の性能を期待するとなると GA-P35-DS4 rev. 1.0 に載りそうな CPUクーラーは他には見つからなかったので Ultra-120 eXtreme を試してみる事にしました。

まず、Ultra-120 eXtreme を取り付ける前に峰COOLER を取り外さなくてはならないのですが、これが本当に大変でした。
今回の Q6600 のオーバークロックに関係する作業の中で一番大変だったかもしれません。

そもそも、ケースに入った状態では頑張ってもクリップ自体にどうやっても手が届かないので、マザーボードをケースから取り外して作業したのですが、それでも大変でした。

サイレントパイプと峰COOLER のヒートシンクが邪魔をしてクリップを回すのも大変だったのですが、それ以上にクリップをマザーボードから引っこ抜くのが大変でした。
前回の取り付けのところで書いたんですが、どこまでクリップを押し込んだら良いのかが分からず必要以上に押し込んだのが原因なのですが、どうやっても抜けないピンがあって本当に苦労しました。

悪戦苦闘末やっとの事で取り外したときの反動でサイレントパイプにモロに指が・・・
パックリ切れてました・・・
激痛アンド流血ですよ・・・
最悪です・・・

Ultra-120 eXtreme の取り付けは、「バックプレート式なので取り付けが難しい」といった説明が各所でされていますが、実際に取り付けてみた印象としてはマザーボードさえ取り外してしまえば特に難しいと言う事は無いと思います。
むしろクリップタイプの峰COOLER の方が難しいと思います。

GA-P35-DS4 とバックプレート

予想通りバックプレートがサイレントパイプ関係のパーツと干渉することはなったのですが、本体がサイレントパイプと若干ぶつかってしまいました
まぁ、ぶつかると言っても接触すると言う程度で、ネジを締めてしまえば気になりませんが。

GA-P35-DS4 とサイレントパイプの接触 GA-P35-DS4 とサイレントパイプの接触

これも各所で指摘されていますが、Ultra-120 eXtreme は完全にネジを押し込んだ状態でも若干動いてしまいます。
若干動くといっても、ブラケットの軸を中心に回ると言う感じで、ブラケットとヒートパイプがぶつかるので 10°位しか動きません。
このため、「外れてしまう」とか「設置面が少なくなる」といったような心配は無く、冷却性能に問題は無いと思います。

Ultra-120 eXtreme をずらして取り付けた模様

逆にこれを利用してサイレントパイプとの干渉を最小限に抑えることが出来ます。
私は、動く範囲でずらして取り付けていますが、今のところ問題はありません。


冷却性能のテスト結果は後で書きますが、Ultra-120 eXtreme はファンレスで使用可能と聞いたので試してみましたが、やはりファンは付けたほうが良さそうです。

ただ、ファンの取り付けは若干めんどくさい、というより説明が非常に分かりにくいです。
付属のクリップでファンを挟んで固定する感じなのですが、まずクリップを本体に取り付ける方法がよく分からない・・・

「クリップ用の穴に挿し込む」と書いてあるのですが、これが良く分かりません。
挿し込む方向とか、どこまで差し込むのかとか・・・

言葉で説明するのが凄く難しいのですが、実際に取り付けた感じでは「差し込む」というよりは「穴に引っ掛ける」といったイメージの方があっている様な気がします。

確かに、穴の中にストッパーのような突起があり、完全にクリップを押し込めないようになっているので「挿し込む」と言う表現でも良いのかも知れませんが、挿し込み方によってはクリップを完全に押し込むことも出来てしまうので危険です。
(押し込んでしまうと、取り出すのが結構大変です。)

さらに、「クリップを取り付けてからファンを取り付ける」ような手順で書かれていますが、実際にはファンを取り付けつつクリップを穴に引っ掛ける感じで作業した方が簡単ではないかと思います。
クリップから先に取り付けると、ファンを取り付けるときに結局反対側のクリップが外れてしまうので、あまり意味がありません。

Ultra-120 eXtreme と 12cm ファン Ultra-120 eXtreme と 12cm ファン
この辺りは英語マニュアルと言うのもあると思うのですが、取り付けのイメージが絵ではなくて写真なら分かりやすかったんじゃないかな?と思いますがどうでしょうか?

取り付けは面倒くさいですが、取り付けてしまえば結構しっかりとファンが固定されます。


さて、肝心の冷却性のですが以下のような感じになりました。

アイドル時の CPU / System温度のグラフ

高負荷時の CPU / System温度のグラフ

室温 26℃の環境で SpeedFan を使って測定した CPU と System温度のグラフです。

クロック数の後に書いてある文字はクーラーとファンの種類ですが、Less は Ultra-120 eXtreme ファンレス時、S は オウルテック F12-S を使用した場合で、PWM は F12-PWM を使用した際のデータです。

ストレステストには前回同様 Prime95 を使用しました。
ファンレスと F12-S の際には 15分程度実行し、F12-PWM の場合だけ 2時間半走らせてデータを取りました。

OS起動後あまり時間を置かずに Prime95 を実行しているためアイドル時の温度は正確ではありません。

参考値として峰COOLER の結果も入れてありますが、CPU温度しか計測してなかったため System温度はブランクです。
こちらの室温は 27℃ です。


「凄い」の一言ですね。
確かに、よく冷えます。
素晴らしいです。

峰COOLER と比べて高負荷時の温度が 13℃近く下がりました。
これだけ冷えれば文句なしです。

ファンレスで使用するのは定格でも若干厳しいかもしれませんが、この辺りはケース内のエアフロー次第でしょう。
うまく Ultra-120 eXtreme に風が当たるようにすれば結構冷えると思います。

F12-S と F12-PWM では F12-PWM を使った方が冷えてはいますが、ファンノイズを考えると F12-S でも良いような気がします。

F12-S の場合、アイドル時 667RPM、高負荷時でも 1103RPM で高負荷時でも殆どノイズを感じません。
F12-PWM は、アイドル時 1409RPM、高負荷時 2411RPM でアイドル時は殆どノイズを感じないのですが、高負荷時は爆音です。

後は、どっちを取るか?っという問題ですが、一応 F12-PWM を着けています。
別に F12-S でも良いのですが、F12-S は今までケースファンで使っていたので、F12-S を CPUファンとして使うと F12-PWM をケースファンとして使うことになるのですが、その場合あまりにもうるさかったので、F12-PWM を CPUファンとして使っています。

関係ないですが、今回 SpeedFan を使っていて気が付いたのですが、GA-P35-DS4 の SYS_FAN1 に接続した場合、ファンの回転数は一定のままです。
SYS_FAN2 に接続した場合には、3pin のファンでも回転数がしっかりと変わったのですが良く分かりません。

っという感じで、何とか実運用に耐える状態になったのでオーバークロックに関する作業は完了です。
Q6600 を 3.0GHz で動かして1週間以上経過していますが、今のところまったく問題ありません。

値段を考えるとかなりお得な CPU では無いでしょうか?
かなりお勧めでだと思います。