40代エンジニアの転職事情 2020 その2 エージェント編
前回に引き続き、40代エンジニアの転職事情の 2回目。
今回は実際に利用したエージェントの話を書きますが、転職エージェントと一口に言っても会社によって結構スタンスが違います。
この辺りを把握して使い分けないと、やりとりする相手が増えるだけで疲れてしまうので、そのあたりを見極め、どのエージェントをどの様な役割で利用するのか明確にイメージして利用するのがお薦めです。
目次
前回は転職サービスについて書きましたが、Linkedin とビズリーチがお薦めとは書いたものの、その二つのサービス経由で直接応募したものは殆どありません。
40代エンジニアの転職事情 2020
40代のエンジニアの転職、色々なサービスやエージェントを使いましたが、年齢的な問題やスキル的な問題など、色々と感じることがあったので、その手の話を書こうかなと。 まぁ、具体的な案件については伏せつつ中心となる内容は とかかなと。
Linkedin は一社のみ、ビズリーチも2社のみ。
最終的に 20社近く応募し、直接応募も数社ありましたが、残りの 15社くらいは全てエージェント経由となります。
最終的に転職先に選んだ企業もエージェントからの紹介だったので、私の今回の転職活動においてエージェントの役割は非常大きく、いろいろな面でとても助かりました。
エージェント登録の経緯や流れのまとめ
前回も流れはまとめましたが、よりエージェントにフォーカスしてまとめると以下のような感じです。
1月中旬 | (ビズリーチ登録・リクナビNEXT再開) |
---|---|
1月下旬 | リクルートエージェント登録・パーソル面談 / カジュアル面談 |
2月 | (面接 〜 お祈り) |
3月上旬 | Spring Exective面談 / (Linkedin、Wantedly登録内容変更・Green、ミイダス登録) |
3月中旬 | Adept Group面談、RGF面談 / Adept 面接・カジュアル面談 |
3月下旬 | Spring 転職エージェント、Nigel Frank International 面談 / カジュアル面談・Adept面接 |
4月上旬 | 初内定(Adept)・面接(RGF、Sprint Exective) |
まず、リクルートエージェントに登録していますが、これは完全にミス、というか、リクナビネクストの登録情報を更新中に「エージェントサービスを利用しますか?」的なメッセージが表示されて、間違って申し込んでしまったのがきっかけですw
10分後くらいに電話がかかってきたのにはビックリしましたが、まぁ、とにかく一番初めに登録したの RA です。
同時期に、ビズリーチ経由で直ぐに案件の紹介がきたのがパーソル、案件自体も面白そうだったので、面談に行きました。
転職活動前は 3社くらいエージェントに登録するつもりで考えていましたが、リクルートエージェントに登録し案件情報の確認に追われ出したことと、ビズリーチ経由のコンタクトが結構いっぱいあったこと、知人の紹介で応募した某クラウドサービス最王手の面接が結構ハードで疲れ切ったりしていて、2月末まではエージェントは増やさずに進めました。
その辺りが落ち着いた3月ごろ、Linkedin の登録情報を見直した辺りから、Linkedin経由でエージェントからのコンタクトが増え、その中で興味のある案件を紹介してくれたところと面談をして話を進めました。
利用したエージェントの感想
今回の転職活動で利用したり面談したエージェントは下記の 7つ。
- Adept Group
- Spring
- Executive
- 転職エージェント
- RGF Executive Search Japan
- リクルートエージェント
- Nigel Frank International
- パーソルキャリア エグゼクティブエージェント
上から私にとって有益だった順に並んでいますが、エージェントに関しては担当した人によってかなり評価が分かれると思うので、一概には言えないのが難しいところです。
その辺りも考慮しつつ読んでいただけると助かりますが、一つづつ感想を書いていきます。
リクルートエージェント
定番中の定番の転職エージェント。
10年前に転職したときにも使いましたし、今回も意図せずですが一番初めに登録しました。
特徴としては
- 求人件数がとにかく多い
- 登録すると案件が多数紹介される
- 求職者側の担当(キャリアアドバイザー)と企業側の担当が分かれている
と言ったところかなと。
対面の面談時に職務経歴書の添削を行ってくれたのが非常に役に立ちました。
このサービスを受けるだけでも登録する価値があります。
サービス利用の流れとしては、キャリアアドバイザーとの面談後に求人が紹介される感じです。
求人紹介は Personal Desktop と言うサービスを通じて行われ、基本的に求人への応募もそちらから行います。
スマホのアプリもあるので、そちらを使った方が案件の確認は楽です。
求人件数がとにかく多く、ほぼ毎日新しい案件の紹介がありました。
求職者とやり取りするのはキャリアアドバイザーですが、企業側とやり取りしているのは別な担当者です。
これは一長一短ありますけど、キャリアアドバイザーによって担当する(できる)案件が限定されないので、リクルートエージェントと一度やりとりをすれば、基本全ての案件にアクセスできるのは楽ではないかと。
書類の添削を行ってくれたのはリクルートエージェントだけだったので、凄く参考になりましたし、お薦めです。
転職活動をするなら、登録すべきエージェントだと思います。
Adept Group
今回の転職先を紹介してくれたエージェントです。
外資系のエージェントで、合計 3人の方とやり取りしましたが、全て外国人の方でした。
なので基本的にやり取りは英語ですが、日本語が分かるスタッフもいるので、こちらからのメールや電話での会話は日本語でも OK でした。
Linkedin 経由で具体的な企業名を出してコンタクトがあり、電話での面談でこちらの要望を伝え、マッチする求人の紹介、という様な感じで進みました。
面接対策などのアドバイスや、待遇面での不安要素などについても非常に親身に対応してくれました。
基本的にメールでのやり取りでしたが、1営業日中にはレスポンスが返って来る感じでしたので、連絡のストレスはほぼなく非常に楽でした。
最初に複数のポジションを紹介され、その中から興味のあるものを選ぶ様な形で話を進めましたが、最初に紹介してくれた企業の中で転職先が決まったので、継続的に紹介があるのかどうかは分かりません。
紹介してくれた企業は大手から有望なベンチャーまで様々でしたが、最初の面談で伝えた要望にマッチする内容で、魅力的な企業ばかりでした。
外資系企業への転職を検討しているのであれば、非常にお薦めのエージェントです。
が、国内の企業の案件は少ないかもしれませんので、その辺りが合えばという感じの印象です。
Spring Executive, 転職エージェント
Spring はアデコの人財紹介サービスで、Linkedin経由でコンタクトがあり、転職エージェントと Executive どちらも利用しました。
転職エージェントは広くいろいろな業種を担当し、Executive は IT系に特化しているようで、案件次第で両方利用することに問題はない、というか片方だけ登録しても、もう片方の案件の紹介は無いのかなという感じです。
Executive から先にコンタクトがあり、こちらをメインで利用しましたが、案件的には国内の大手からベンチャーまで幅広く良質な案件を紹介され、いくつか応募させていただきました。
転職エージェントの方は、単純な IT系と言うよりは、少し違う業界と IT のコラボレーション的な事業を行っているところが多かったような印象です。
定期的に電話での連絡もあり、案件も豊富、リクルート系とも案件的に異なっていたので、国内の企業への転職には非常に有効なエージェントだと感じます。
お薦め出来るエージェントです。
RGF Executive Search Japan
リクルートグループのエージェントらしいですが、リクルートエージェントとは毛色がかなり違います。
「バイリンガルのエグゼクティブサーチファーム」らしいのですが、扱っている求人は特にバイリンガルとか外資系に限定しているわけでも無いようで、紹介されたのは国内の企業の求人のみでした。
英語が要件に入っているものもありましたが、特に関係ないものもあったので、その辺りは案件次第なのかなと言う感じです。
2人のエージェントとお話をさせていただきましたが、いずれも一社ずつの紹介で、企業とのやりとりも直接その方がされているような感じのお話でした。
これは、相手の企業が原因かも知れませんが、話が進むのは少し遅めな印象で、連絡に対してのレスポンスはあまり良く無いです。
進めた1社はそのまま面接まで進んだので書類選考の通過率は高いかも知れません。
一長一短あると思いますが、案件の質は高く、独自性も高い印象でした。
案件数で勝負するタイプのエージェントではないので、案件的にマッチしたならお薦めかなと。
Nigel Frank International
あまり情報がないのですが、外資系のエージェントらしく、最初にコンタクトがあったエージェントからはシンガポールから着信がありました。
ただ、日本にも拠点があるようで、案件自体は外資系だけでなく国内の企業の物もありました。
お話したエージェントは 2人とも日本人で、やり取りは日本語で OK 。
案件的に数が多い感じではないですが、独自性の強いものが多く、継続的にコンタクトがあるのでサポートもしっかりしている印象です。
パーソルキャリア エグゼクティブエージェント
ビズリーチ経由でコンサルタントから求人を紹介され、面談をしました。
転職活動の最初期にコンタクトをとったエージェントで、当時はエージェント経由での案件を積極的に検討していなかったので応募はせず、それっきりになってしまいました。
今考えると案件自体は非常に魅力的だったので話を進めてもよかったのですが、その辺りはタイミングですね・・・
その後のフォローアップの連絡や、他の案件の紹介もありませんでしたが、担当の方が関西の担当の方だったのが理由かも知れません。
エージェントのまとめ
今回登録したエージェントの中ではリクルートとパーソルのみ対面の面談で、その他のエージェントは電話で30分〜60分程度話して終わりでした。
これは、その他のエージェントとは 3月入ってからコンタクトを取り始めたので、コロナウィルスの影響もあり対面での面談を行う様な状況では無くなってきた事もあると思いますので、平時はどの様に進めているのかは分かりません。
エージェントには、企業からの求人情報と求職者の情報を集めて DB的にマッチングする側面と、特定の求人情報に対してマッチする人をスカウトして紹介するヘッドハンター的な側面の二つがあると思います。
エージェントによって何方の側面が強いかは異なりますが、リクルートエージェントは DB的な側面が非常に強く、求人情報を複数の候補者(求職者)に投げてマッチした人が応募し、企業側がそれをみて選考する様なイメージでした。
キャリアアドバイザーはある程度はサポートしてくれますが、良い意味でも悪い意味でも機械的です。
エージェントに登録してとにかく多くの求人情報を見たいという人にはお薦めですが、自分にあった求人をピンポイントで紹介して欲しい場合にはあまりお勧めできません。
また、リクナビネクストやビズリーチなどの転職サイトでも同様の求人情報にはアクセスできるので、使い分けは考えた方が良いかも知れません。
私の場合、リクルートエージェントとリクナビネクストが完全に被ったので、リクナビネクストを求人情報の検索や応募には使いませんでした。
その他のエージェントはヘッドハンティング的なアプローチでコンタクトしてきたところなので、DB的な要素よりもヘッドハンター的な要素の方が強く感じました。
この種のエージェントは企業側と実際に話をしているエージェントが担当してくれるので、案件自体の情報量が違います。
JDや求人票だけでは分からない情報にアクセスできるのは非常に助かりました。
特に就業時間などは書いてある内容と実際の運用が全く違うものも多く、その辺りの情報について選考前に気軽に確認できるのはこの手のエージェントの強みです。
個別のエージェントが扱える案件の数は少ないですが、案件ベースで複数のエージェントと話をすれば案件数は問題にならないですし、実際に話が動き出すと非常にスムーズに話が進む印象です。
結果として、応募した際の書類選考の通過率は高くなる印象なので、気になる案件がある場合には非常に有効でお薦めです。
当初、求人サイトや RA から応募しているときには書類選考の壁はかなり高いと感じましたが、転職活動後半にエージェント経由での応募に切り替えてからは格段に通過率が上がりました。
エージェントに登録するメリット
転職活動をするならエージェントに登録した方が圧倒的に楽、特に在職中の転職活動には必須ではないかと感じます。
私が感じた、エージェントに登録するメリットを挙げてみます。
- 企業側とのやりとりをエージェントに任せられる
- 疑問点・不安点の確認
- 日程調節
- 給与交渉
- 面接対策(企業側の好み)を聴ける
- 非公開求人にアクセスできる
- 多数の求人の中から自分にあった求人を見つけてくれる
- 書類の添削を受ける事ができる
「企業とのやりとりを直接行う必要がない」というのは大きいです。
先ほども書いた様に、JDや求人票の情報は最新ではなかったり実際の運用と全く違うことも多く、欲しい情報が揃っていない事も多々ありますが、エージェント経由なら応募前に最新の情報や実際の運用を確認できたり、不足している情報の補足をお願いする事が可能です。
また、面接の日程調節や給与交渉を自分で行う必要がないのは精神的にも時間的にも非常に楽です。
給与交渉に関して実際にお願いするかどうかは別ですが、自分の適正年収を把握するためにエージェントと話をする事は非常に大きな価値があります。
前回のミイダスのところでも触れましたが、自分の適正年収を把握しておく事は転職活動において非常に重要です。
なぜなら、どこかのタイミングで「希望年収」を聞かれる可能性は非常に高く、「希望年収」をどのように設定するかにおいて自分の「適正年収」を知っておくことはとても重要だからです。
ただ、この「適正年収」は自分では良く分からないので、エージェントとの話の中でこの辺りを深掘りしておくと良いかなと。
「〇百万円くらいは可能です」とか「△百万円は業界を考えないと厳しい」とか的確に教えてくれます。
複数のエージェントと適正年収や希望年収の擦り合わせを行っておく事で、いざ「希望年収」を聞かれたときの回答にも自信が持てるようになると思います。
企業側の担当者と直接話をしているエージェントの場合、同じ企業に何人か紹介している可能性が高いので、面接対策として企業が選考の際に重視するポイントを教えてくれる事が多いです。
非公開求人に関しては何とも言えませんが、自分にあった求人を見つけてくれるのもエージェントを利用する醍醐味かなと。
IT系、と言っても業種も業界もバラバラだったりしますし、同じ業界や業種でも付き合いのない会社のことはよく知らなかったりするので、求人の中から自分で選んでくるとどうしても偏ってしまいますが、エージェントからの紹介は全く知らなかった企業に出会う事ができるので、単純に楽しかったです。
世の中には魅力的な会社が沢山あるな、と感じました。
職務経歴書の添削を行ってくれたのはリクルートエージェントだけでしたが、非常に助かりました。
こう言うのはテクニックなので、知っているか知らないかでかなり差がつくと感じます。
逆にデメリットは。
- エージェントとのやりとりが面倒
- 紹介が多いと目を通すのが大変
くらいかなと思いますが、この辺りは40代のビジネスマンならあまり苦にならないかなと。
転職エージェントのオススメの使い方
まず、リクルートエージェントのような DB的な要素の強いエージェントにも一つは登録しておいた方が良いと思います。
とにかく、求人情報を沢山見る事で、自分の転職活動の方向性なども見えてくると思うので、求人情報を沢山みれる状況にある事は重要です。
また、このてのエージェントは書類の添削を行っているところが多いので、職務経歴書を仕上げる意味でも登録すると良いかなと。
私は、RA を利用しましたが、10年前の記憶ですがパソナキャリアも似た感じだったので、どちらか登録しておくと良いかなと。
いずれにせよ、まずはこの手のエージェントから先に話をして、職務経歴書の完成度をあげつつ、自分の要望をある程度明確にしておきます。
準備ができたら、Linkedin やビズリーチへの登録情報を更新し、ヘッドハンターからのコンタクトを待ちます。
かなりの数のコンタクトがくると思うので、興味のある案件を提示してきたエージェントと話をすると良いと思います。
が、ほとんどが「とにかく一度お話をさせてください」的なノリのメッセージです。
これらのメッセージに対しては基本的に無視で良いと思ってます。
そもそも職歴やスキルなどを公開しているのに、具体的な案件の提示がない時点で手当たり次第感が強い。
後回しで良いかなと。
もちろん良い結果に繋がる可能性はあると思います。
が、テンプレで不特定多数に打っているメッセージに答えるくらいなら、そのエージェントのサイトから申し込むのとあまり変わらないのかなと。
と言う感じで、複数のエージェントと並行でやり取りしながら進める事で、案件の品質なども見極めながら進める事が出来ますし、適正年収などの話も複数のエージェントと出来るのでお勧めです。
さて、今回はエージェントについてまとめてみました。
エージェントは企業毎にカラーがあり、担当してくれるコンサルタントによっても印象が変わるので、一概に良い・悪いで評価を書けない部分があります。
が、最後に敢えてお薦めを書いて終わりにしたいと思います。
まずは、Adept Groupですが、外資系企業を視野に入れているなら間違いなくお薦めです。
コンサルタントの質が高く、メールのレスポンスも早い、紹介してくれる案件の質も高く数も比較的多いです。
国内企業メインなら Spring Executive がお薦めかなと。
国内IT企業の良質な案件を多く持っていて、エージェントがきちんと担当してくれる印象で好感が持てました。
メールのレスポンスは Adept Group と比べると良くは無いですが、この辺りは他のエージェントも似た様な感じだったので、悪くは無いのかも知れません。
というわけで、次回はまとめですかね。
コメント