Je m'appelle@渋谷 TAKE OFF 7 - 2013.7.19 - ライブレポート機材編/ペダルボード Ver. 2013.J
という事で、機材編。
今回、っと言っても前回のライブは去年の Born Blanchir のライブで、約1年間ブランクがあったので、その間にペダルボードの中身がかなり変わりました。
かなり試行錯誤していたのですが、何とかライブ前に形になりました。
本当はライブ前にペダルボードのビフォーアフター的なエントリーとして投下しようと思ったんですが、書いてるうちにライブが終ってしまったので、ライブレポート機材編 + ペダルボードの紹介的な感じで書いて行こうと思いますw
では、ボードの話の前にそれ以外の部分から。
使用したギターはいつもの b3 Guitars Metal XS。
最近はライブに関してはほぼこの子以外使ってないですね。
非常に安定しております。
弾いていて全く不安感のない素晴らしいギターです。
メインのシールドは VOVOX を使いました。
ライブで使ったのは初めてでしたけど、全然OKですね。
単線という事で、不安感が無かった訳ではないのですが、トラブルなく終えることが出来ました。
ギターからボードの入口(ジャンクションボックス)までは sonorus protect A、ボードの出口(ジャンクションボックス)からアンプまでは link protect A を使いました。
好みもあるかもしれませんが、個人的には souorus の方が好きです。
VOVOX、音が良いというのも重要なポイントですけど、圧倒的に軽いと言うのもライブなどで使うという事を考えると大きなポイントの一つだと思います。
ギタリストに人気の Belden 8412 なども音は悪くはないですが、とにかく重いですよねw
5m とかになると、余裕でペダル一つ分くらいになるんじゃないでしょうか?
音は個々の好みが絶対に出ると思うので、一概にこっちの方がが優れているとは断定できませんが、重さに関しては明確に違いが実感できると思うので、ぜひ一度手に取ってみることをお勧めします。
衝撃を受けますよw
そして、取り回しが非常に楽だと言う事も今回使ってみて改めて確認できました。
ケーブルが軽いというのも有るのかも知れませんが、変な引っ掛かり感が無いので取り回しがとにかく楽です。
では、お待ちかね?のボードです。
まずはビフォーアフターから。
ビフォー |
⇒ | アフター |
ビフォーは去年の Born Blanchir のライブの時点でのもの。(この時点の機材の詳細はライブレポのページに書いてあります。)
アフターが今回の Je m'appelle ワンマンサポート用のボードです。
まぁ、パッと見かなり変わってますよね。
過去との比較を含めつつ新しいボードの解説をしようかなと思います。
では、新しいボードの構成員から。
- 自作ジャンクションボックス
- FREE THE TONE ARC-3(スイッチャー)
- G-LAB True Bypass Wah-Pad
- KATANASOUND Blue Stripe(青線) (コンプレッサー)
- Analog.Man King of Tone Ver.4 (オーバードライブ)
- Bogner Ecstasy Red (ディストーション)
- strymon Mobius (モジュレーション)
- strymon TimeLine (ディレイ)
- Sonic Research Turbo Tuner ST-200 (チューナー)
- FREE THE TONE PT-1D (電源+DCサプライ)
TBWP から TimeLine は接続順になってます。
で、ビフォーとの対比を表にすると以下の様な感じ。
ビフォー | アフター | |
---|---|---|
- | 自作ジャンクションボックス | |
ルーティング | BamBasic HighDef Buffer | FREE THE TONE ARC-3 |
メイン歪 | Blackstar HT-DUAL | Bogner Ecstasy Red |
モジュレーション | Analog.Man Bi-Chorus | strymon Mobius |
DCサプライ | 中村製作所 NS-PD910 | FREE THE TONE PT-1D |
サウンド面では、メインの歪を Blackstar から Bogner に変更したことが一番大きな変化かも知れません。
歪と言う意味では King of Tone も使っていますが、KoT はどちらかと言うと味付けとかプラスワン的な使い方がメインなので、サウンドキャラクターとしては HT-DUAL や Ecstasy Red の方が強いと思います。
この辺りは説明が難しいですね。
HT DUAL の音自体は好きなんですが、ライブや広めのスタジオで大音量で鳴らした時に若干薄い感じがしてしまうというか、ローやローミッドが上手く出てこない感じがしていたんですよね。
逆にハイはガンガン出てくるので耳に痛い感じと言うか、マーシャルの悪いイメージの音って言ったら良いんでしょうかねぇ?w あの感じです。固くてハイよりの音。
小さ目な箱とかスタジオで鳴らしている時には非常にきれいに歪むのですが、大きめの箱やスタジオで鳴らすとキツイ音になってしまう感じ。
Bogner Ecstasy Red を選んだ理由は単純に音が好きだからと言うのもありますが、ギターのトーンにや音量に比較的追従するので、ペダルの設定を変えずに幅広い音が出せるという部分が大きかったです。
b3 Metal XS のピックアップレイアウトは HSH で、各ポジションでかなり音が変わるのですが、Ecstasy Red の場合、同じ設定のままでセンターではクランチ、ブリッジではリードみたいな事ができるので色々楽です。
ボードの操作性や見た目の意味では ARC-3 がデカいですよね。
自分的にも今回の目玉は ARC-3 です。
スイッチャー自体の導入はこれまでも何度も検討してきたのですが、費用やスペース的なデメリットに対して、明確なメリットが自分の中で整理できていなかったので今までは導入に踏み切れませんでした。
が、前回のエントリーでも書きましたが、今回のライブでは 16曲でギターを弾く必要があり、かつ曲間無しか、あっても演出の都合上ステージ上は無音かつ暗転状態である事から、エフェクトのON/OFFはプリセット的な感じで変更できないとかなり厳しいと感じていました。
歪系のエフェクターのON/OFFも面倒ですが、一番困るのは strymon の二つのペダル TimeLine と Mobius。
これらは単純な ON/OFF ではなくて曲ごとにプリセットが組んであるので、それを呼び出さなくてはいけませんが、そもそも同じ曲で 2つ以上のプリセットを使っていたり、曲の頭では OFF だけれども途中から ON になるとかパターンが複雑で覚えきれませんw
通常のライブのように曲数が 5、6曲ならばそれでも何とか記憶できますが、16曲となると書き出しておかないと無理。
が、今回は曲間にそんなメモを見る時間もなければ、暗転しているのでそもそもメモを見る事が出来ないw
色々と考えてみたのですが、スイッチャーを導入するのが一番安全だろうという事で、スイッチャーを導入することにしました。
で、なぜ ARC-3 にしたのか?っと言う話ですが、実はそこまで深い理由は有りません。
単純に開発者の林さんの本を読んだり Twitter などでやり取りをした印象として信頼できるなぁと感じた事と、複数のユーザーや楽器店の店員さんに評判を聴いたところ、良い評判が多かったからです。
まぁ、使ってるペダルの数的にこのサイズのスイッチャーじゃないと難しかったので、選択肢がそこまでなかったと言うのもあります。
一応、比較検討したのは Musicom LAB EFX MKⅢ+ です。
今でも EFX MKⅢ+ は気になります。
機会があれば試してみたいという気持ちは強いのですが、いかんせん情報が少ない。
今回はシステム構築を急いでいたこともあり ARC-3 を選択しました。
実際に組んで使ってみての印象ですが、評判通り良いですね。
他のスイッチャーを使ったことが無いので印象としてしか書けないのですが、設定は簡単だと思います。
スイッチ類も分かりやすいですし、マニュアルを見ながら設定すればたいていの事は出来るのではないかと。
Bogner Ecstasy Red の Boost ON/OFF で手こずりましたが、これは ARC-3 と言うよりも Bogner のリモート機能の仕様が特殊なのではないかと思ったりします。
設定方法は こちらのドキュメント(PDF) に載っています。
とにかく MIDI の設定が楽で思ったよりも細かくできる部分がGOOD!
複数の MIDI機器に別々なチャンネルを設定して別々のプログラムナンバーを送れるのは本当に便利です。
何となく、バンクNOで固定されてMIDI機器に送信されるイメージで考えていたので、ここまで独立してコントロール出来たのは嬉しい誤算でした。
音質面ですが、直列で繋いでいた頃からノイズが多いシステムでは無かったので、その意味での恩恵はあまり感じません。
が、悪くなってもいないので、決して悪い訳ではないでしょうね。
ただ、HTSサーキットを通すことで音は確実に変わります。
まぁ、この辺りはバッファー通すと云々って話と同じなので、好き嫌いが分かれるところだとは思いますが、私はHTSを有効にしてます。(HTSサーキットをバイパスすることもできます。)
ちなみに、スイッチングのノイズは皆無ですね。
スイッチャーってそう言うものなのかもしれませんが、ここまでノイズが無いとは思いませんでした。
凄い。
プリセットの編集はかなり簡単に出来ますが、エディットモードに入ることでかなり細かい部分まで色々と設定できるようになっています。
この辺りは、現場の意見を取り込んで作られたスイッチャーだなぁと感心してしまいます。
とにかく、細かい部分まで非常に作りこまれているので、「これできるかな?」って思ったことは大体設定で何とかなったように思います。
その他の変更点としては、コーラスペダルを Analog.Man Bi-Chorus から strymon Mobius に変更した点と、DCサプライを中村製作所 NS-PD910 から FREE THE TONE PT-1D に変更した点ですね。
Mobius への変更に関しては以前のエントリーで詳しく書いていますが、簡単に書くと Bi-Chorus だと当然ですがコーラスに限定されているという事と、曲によってプリセットを組む事ができないので、打ち込みなどのように曲ごとの音色変化が多い編成の場合は使い難いと感じたからです。
DCサプライを変更したのは単純に省スペース化と軽量化のためです。
PT-1D はACのディストリビューターとDCサプライが合体しているような商品なので、別に電源タップなどを用意する必要が無い点が決め手になりました。
ちなみに、微妙な違いですが、音だけで言えば 中村製作所 NS-PD910 の方が良いように感じます。
まぁ、どちらをとるかと言う話ですが、この大きさでACアダプタ4個、DCケーブル8個をさばけるのは凄いと思います。
BamBasic HighDef Buffer を外したのは ARC-3 自体にHTSサーキットが入っているためバッファを使う必要が無い事もありますが、元々チューナーに切り替えるためのA/Bボックス的な意味が大きかったので、ARC-3を入れることでお役御免になった感じです。
が、HighDef Buffer(今は HighDef Buffer A/B と言う名前になったみたい)の音は非常に気に入っていて、数年来これを基準に音を作って来ていて慣れている部分もあるので、スイッチャーを使わないような小さめのセットを組む時のために寝かしておきます。
自作ジャンクションボックスについては、別エントリーで書こうかなと思ってますが、まぁ、これはスイッチャーのIN/OUTって入り組んでいるし、後段のペダルをスイッチャーに近づけると普通のシールドでは抜き差しが難しくなってしまうので、ボードのIN/OUTを一か所に纏めまた方が良いなと思い入れました。
自作したのは金銭的な問題とかカスタムオーダーの納期もあったのですが、内部の配線材を色々と試してみたかったというのがデカいです。
この辺を書き出すと絶対に長くなるので、この辺りにしておきますw
そういえばパッチケーブルも全部変えました。
今までは Mogami 2534 で作った自作パッチケーブルでしたが、今回は EVIDENCE AUDIO:SIS Monorail と FREE THE TONE CU-416 / SL-8SPro(Gold) / SL-8LPro(Gold) で作ったパッチケーブルを組み合わせています。
CU-416 の方が使用箇所は多いですが、音的には SIS Monorail の方が好きですね。
ただ、圧倒的に CU-416 の方が取り回しに優れているので、CU-416 をメインに要所要所、譲れない部分に SIS Monorail を使ったという感じです。
ちなみにジャンクションボックスには SIS Monorail の芯線を使いました。
が、うーん、何とも言えないですが Mogami 2534 も捨てがたいんですよね。
この辺りは詰め切れていないので、時間のある時に色々と試してみたいと思っています。
っと言う感じで、バーッと紹介してきましたが、変更点としては以上のような感じです。
まだ 100%完成したとは言えないのですが、かなり完成形に近くなってきた感はあります。
POD を廃してペダルエフェクトで再構築してから、スイッチングの問題で音色のバリエーションを犠牲にしていた部分があったのですが、スイッチャーを導入することでスイッチングの問題から解放され、機材の組み合わせが柔軟にできるようになったのは本当に大きいです。
スイッチャーって「もっと早く買えばよかった」って意見が良く書いてあるんですが、確かにその通りだなぁっと思いました。
本当にもっと早く買えばよかったw
ライブ中のストレスはこれでかなり軽減されたと思います。
スイッチングで悩んでるなら買って損はないと思います。
まぁ、機材は重くなりますけどね。
でも、そのコストを払っても導入する価値はあるなぁっと思いました。
ちなみに、今回の戦力外は「青線」。
これは昔から気が付いていた問題なのですが、青線は電源ノイズがかなり乗ります。
今まではライブの時だけ電池で動かしたりしてましたが、ここまでボードをくみ上げてしまうと、ちょっとそれも面倒になってきたので別なコンプを探そうと思います。
気になっているコンプが何個かあるので、それを試しつつと言う感じですかねぇ。
あと、スイッチャーを導入したことによって、歪関連のペダルも見直そうかなぁっと。
今までは、ライブで使う事を前提に考えて 2ch やブーストスイッチ付きの歪ばかり買ってましたけど、スイッチャーを使う事でその制限は外れました。
むしろ、単発の方が使い勝手としては良いので、ループ数と葛藤しながら何個か試してみようかなと。
クランチとディストーションをそれぞれ納得のいく音が出るペダルで作って、リード時はブースターで引き上げるって感じの使い方が理想なのですが、納得のいくペダルってのが難しいw
Ecstasy Red に関して言うと、GAINを下げ目で設定しても結構歪んでしまうので、ブーストスイッチの意味が余りないと言うのが個人的な印象です。
当初の想定としては、Boost オフでクランチ、オンでディストーションみたいな感じで考えていましたけど、まぁ、ブーストオフでもかなり歪んでしまうので、実際のライブでは KoT で代用した部分がかなりありました。
が、KoT は艶出しやブースター的な使い方をしている部分がかなりあるので、どうしても歪量的に軽めな設定にせざるを得ないんですよねぇ~
なので、クリーンブースターを入れて、KoT でクランチを作る感じにすれば Bogner はディストーションだけを担当すれば良くなるかな?とか、そんな感じで考えてます。
うーん、難しですねw
King of Tone のイエローチャンネルで歪むか歪まないかくらいにした時のクリーントーンは素晴らしすぎるくらい良い音なので、それを捨てれるかどうか・・・
無理だなw
まぁ、何にしてもライブを見に来てくれたお客様のギターに対するコメントがほぼクリーン+ディレイに対してのコメントだったというのは真摯に受け止めて改善しなくてはなりません。
歪って難しい。
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