家の仕様検討 - 防音室編

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家の仕様検討の続き

だいぶ間があきましたが、家の仕様編。

今回はこのブログらしく音楽に関係のある部分ということで、防音室の話しから。

家の仕様検討

家を買ったけれども、仕様は自由にしてイイよ(金さえ出せば)ってなってからのお話。

っと言っても、YAMAHAのアビテックスの様な本格的なものではなくて、壁に遮音パネルや防音材を入れて、窓を二重にしたような感じの、簡易防音という感じのものです。

この辺りは、どの程度の作業までを自宅でやりたいかによっても変わってくると思うのですが、そういう話も含めて書いて見たいと思います。

非常に、現実的な話で夢がないかも知れませんが、それはそれで面白いかなぁっと。

あ、面白いところと言えばクローゼットをギターのハードケースに最適化して見たりしたので、その辺りも書けたら書きます。

まず、経緯からですが、正直言って防音室を作ろうと最初から思っていた訳ではなくて、話の流れで「出来れば...」みたなニュアンスで伝えたら「(お金さえ払えば)できますよ!」って簡単に言われたんでやってみたっと言う感じ。

今までの家を購入するまでの経緯なんかを読んで頂けると分かると思いますが、主に完成済みの物件をメインで探していたので、そもそも設計から話をするなんてことは考えてませんでした。

家を探しだすまでの経緯

漠然と家を買おうと思っていた所から、実際に本腰入れて探しだすまでのお話。

どちらにしても、完全に音楽制作作業に特化した部屋を作ろうとは思っていましたが、後から防音工事をしようと言う考えもありませんでした。

何でか?と問われると上手く説明できないのですが、防音室にする事でのデメリットの方が大きと考えていたからです。

費用の面もそうですし、やればやるほど部屋自体は狭くなる。
元も子もない話ですが、木造という時点で地下室でも作らない限り、鉄筋コンクリートの建物には敵わない訳です。

じゃぁ、そこまでしても防音性能を上げたいのか?って言われたら「否」だったという感じですね。

防音室作って何するの?

防音室の話は「自宅スタジオで何処までの作業をやるのか?」っという部分と切り離しては語れないと思うので、その辺りから始めたいと思います。

まず、私が自宅で音を出して行う作業の大半は作曲(打ち込み含む)とエレクトリックギターの録音とギターの練習です。

ボーカル等の録音はリハーサルスタジオで、バンド練習もリハスタ。
ミックスなんかは家でもやりますが、頻度は低めで、最近はリハスタでやったりもします。

で、作曲・録音・練習の3つに関しては、マンションに住んでいた頃もやっていた事で、多少周囲に気を使いながらで有れば集合住宅でも可能だった訳です。

では、今までもやりたかったけど自宅では出来なかった事は何かと言うと、仮歌録りとアコースティックギターの録音や練習などが挙げられます。

この2つに関しては、音量の調節が出来ないので、全力で行うことが出来ない作業でした。

まぁ、仮歌はいいとしても、アコギの練習くらいはしたいかなぁっと言うところですね。

なので、前述の3つにアコギの録音や練習を追加したものが新居で音を出してやりたい作業となります。

アコギの練習や録音に必要な防音って?

これらを踏まえて必要な防音性能を考えるわけですが、外に漏れる音に関しては、正直「防音なんて要らないのではないか?」って思いました。

これには色々と理由があります。

まず、新居の立地が幹線道路に近く、クラクションやサイレンを含む車の騒音が24時間聴こえるような環境であるということ。

そして、アコギの音量って、大きとは言っても、たかが知れていると思っているからです。

じゃぁ、なんで防音加工をしたの?と言うと、外から入ってくる音をシャットアウトしたかったからです。

先程も書きましたが、屋外の騒音があるので、遮音や防音を行わないと生楽器の録音は難しい立地だと思います。

実際、引っ越してみて思いましたが、休日の昼間はかなりうるさいです。

なので、防音の主目的は外来ノイズをカットすることにあり、その副産物として自分が出している音が外に漏れないようになるならなお良い、という感じで考えました。

要望を伝えるのに苦労する・・・

そんな感じで始まった防音室の検討ですが、一番難しかったのは設計士の方にこちらの要望を伝えることでした。

「音量が大きいものはアコギくらいなので、外に漏れる音はあまり気にしてません」
とか
「録音時に外の音が入るのを防ぎたい」
とか言っても、音楽をやってない人にとってはイマイチイメージが掴みにくい。

逆に、設計士さんは使える建材を紹介してくれるんですが、「マイナス○○db」みたいに言われても、今度はこっちがサッパリ(笑)

なので、建材メーカーの方に設計士から私の用途などを伝えてもらい、建材メーカーからプランを提示してもらうような形で作業を進めました。

最初は素人考えに断熱材などを多めに入れてもらえば良いだけじゃないか?とか思ったんですが、それはダメらしいです。

断熱材を入れる方法は、防音効果はあるものの居室間の壁に使うと断熱効果が高くなりすぎ、壁の内部の結露の原因になってしまうので、お勧めしないとのことでした。

この辺り、検討されている方は注意されたほうがいいかもしれません。

まぁ、こういうことは専門家に任せたほうがいいと思っているので、案を出してもらいました。


ちなみに、私の提案で通った案は「窓を減らす」と言うもののみw

スタジオにしようとしている部屋は北東方向に面している 2F の部屋で、北側に向かって母屋下がりになっています。

当初の案では北側と東側の2箇所に窓が着いていたのですが、北側には隣家が立つ予定だったので思い切って窓を無くしてみました。

北側なので採光とよりも、換気の面でデメリットが大きいのですが、用途的に北側はコンソールを置くため、窓があっても空けること自体が難しいというのもありました。

まぁ、その辺りはどちらを取るのかということですね。

2重窓よりも窓自体が無いほうが防音という観点からは良いはず、っという考えです。


で、色々なパターンを提示していただいたのですが、メーカー的にはパナソニックダイケンの2つのメーカーの建材を紹介していただき、最終的にダイケンの商品を選択しました。

単純に設計士の方のお勧めということもありましたが、値段的にもダイケンの商品のほうが安かったと思います。

防音系の建材は他にも色々なメーカーが出していますが、工務店的に付き合いのある業者が扱っていなかったりで、見積りを取るのも難しい状態だったので特に比較検討はしていません。

で、ダイケンの商品の中でもどの程度の防音を行うのかで選択肢が複数あり、価格差がかなりあったので、お勧めのプランと、私の要件を満たす範囲で費用が安いプランの2つを出してもらいました。

結果的に安い方を選択したのですが、せっかくなのでお薦めプランも含めて晒しておきたいと思いますw

お薦めプラン

天井 オトテン15 アコースティックブロック
遮音パネル12.5
防音ゴム天井M A防音
吸音ウール455
オトカベL80(W600タイプ) + 専用ボーダー
オトカベS-3
遮音パネル12.5
防震ゴム壁
吸音ウール455
吸音ウール303
布クロス(※)
遮音マットS09
吸音ウール303
ドア 防音ドアS01
換気扇 DKファンNK08タイプ11型 + 防音フード12型
LIXIL:インプラス(※)

※の布クロスと窓以外は全てダイケンの製品です。

単に遮音や吸音というだけではなくて調音的な側面も考慮されている建材を使っています。

布クロスはこの時点では何を選ぶか決めていませんでしたが、遮音性が高くなってしまうので、通常のビニールクロスを使うよりは布クロスにしておいたほうが良いだろうということで、提案として入ってます。

まぁ、何のことやって物も多数あると思うので、それぞれ解説していきますねw

オトテン15 アコースティックブロック


オトテン アコースティックブロック
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音楽室の天井的な商品でしょうか?

遮音と吸音を同時に行う商品ですね。

一番外側に貼って使う商品のようです。

オトカベL80(W600タイプ) + 専用ボーダー

オトカベL80
オトカベL80
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オトテンの壁バージョンと言う感じで、オトテン同様一番外側に使う商品のようです。

オトカベL80を壁一面に貼るのではなく、専用ボーダーという商品を同時に使うようです。

オトカベS-3

オトカベS-3
オトカベS-3
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こちらも、基本的にオトカベL80 と同じように吸音と遮音を行う商品ですが、そこまで表面が化粧されていないので、別途クロスを貼る必要がる商品です。

オトカベL80とS-3の使い分けの基準は良く分からないですが、おそらくなるべく値段を安くするために不必要な部分に高額商品を使わないように配慮しているのではないかと思われます。

遮音パネル12.5

遮音パネル12.5
遮音パネル12.5
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下地に使う商品。
通常はこの上にクロスを貼りますが、今回のプランの場合には遮音パネルの上にオトテンやオトカベを貼る形で提案されています。

防音ゴム天井M & 防震ゴム壁


大建工業 防振ゴム天井M
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壁や床から伝わる音(固体伝播音)を遮音するための商品らしいですが、詳しいことは良く分かりません。

形状からして、躯体とパネルの間に挟むような使い方なんでしょうか?

吸音ウール455 & 吸音ウール303

これが、素人考えで行っていた「断熱材を多めに」の代わりになる商品ですね。

壁の中に敷き詰めるイメージでしょうか?

455と303は単純に大きさの違いです。

布クロス

壁紙ですね。
ただし、一般的なビニールクロスではなく、布で出来たクロスです。

防音や遮音を施すことによって、室内の反響は通常の部屋に比べると強くなってしまうので、反響を抑えるためにビニールクロスではなく、より音を吸収しやすい素材で作るという感じでしょうか?

リハーサルスタジオなんかの壁も、絨毯みたいになってる所が多いのですが、恐らく同じ目的だと思います。

遮音マットS09

遮音マットS09
遮音マットS09
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遮音パネルと似たような商品だと思いますが、床材の下に敷き込むことで防音性を上げる商品です。

防音ドアS01

普通のドアの見た目で、防音性能を高めた商品です。
はっきり言って高い。

これを導入することで、防音室の24時間換気が自然給気では行えなくなります。

DKファンNK08タイプ11型 + 防音フード12型

防音設計の24時間換気用の機械給気用換気システムです。

防音ドアを着ける事で自然給気が出来なくなるため、ファンを取り付けるのですが、そのための防音換気扇です。

LIXIL:インプラス

いわゆる2重窓ですね。

一箇所だけ残っている窓に取り付けることで少しでも防音性能をあげようという考えです。

で、布クロスはこの時点では何を選ぶか決めていなかったので見積りに金額は入っていませんが、上記で大体150万円だそうです(汗;

まぁねぇ~、予想はしてましたがちょっと高すぎです。。。

「防音室を作る」って考えているのであれば、安いのかもしれません。

が、上でも書いたように「防音室」と呼べるようなものを作りたい訳ではなく、あくまでも「簡易防音」的なノリで考えるとちょっとやり過ぎな感じがします。

実際に選んだプラン

という訳で、費用なども考えて実際に選んだプランが下記。

天井 オトテン15 アコースティックブロック
遮音パネル12.5
防音ゴム天井M A防音
吸音ウール455
オトカベL80(W600タイプ) + 専用ボーダー
オトカベS-3
遮音パネル12.5
防震ゴム壁
吸音ウール455
吸音ウール303
布クロス
遮音マットS09
吸音ウール303
ドア 防音ドアS01
換気扇 DKファンNK08タイプ11型 + 防音フード12型
LIXIL:インプラス

はい、高額商品をザクっとカット(笑)

ちなみに、布クロスはリリカラの LY-18520 と LY-18521 を選択しました。

備長炭入りの麻でできたクロスです。

これで、布クロスを入れても税込で50万以下に抑えることが出来ました。

オトテンやオトカベと言った、防音遮音と言うよりもどちらかと言うと調音というか、リスニング環境を整えるようなものは全て外しました。

最悪、音が悪い部屋になったら卵の紙ケースでも貼り付ければいいくらいのノリですw

調音用の吸音材はサウンドハウスでも沢山扱っているので、実際に使いながら追い込んでいく感じでいいのかなと。

吸音材 SONEX - サウンドハウス 吸音材 SONEX - サウンドハウス

それと、防音ゴム天井とゴム壁も、そこまでは必要ないんじゃないかという事で却下。

防音ドアに関しては、考え方として家の中の別な部屋に向けての防音・遮音を狙ったものなので必要ないと考えました。
必要ないってのは言いすぎですが、値段が高すぎます。

必然的に換気扇も必要なくなるので、外してあります。


一応、仕様としてはこんな感じです。

かなり長くなってしまったので、今回はこの辺りにしますが、どうでしょうか?

布クロスの値段が高かったこともあって、考えていたよりも全体的に高くついたんですが、こんな物かなぁっと。

ということで、次回もおそらく防音室の話が続くと思いますが、先に使ってみての感想を書きます。

最高ですw

うん、やっぱりそれなりの音量でギターを弾けるって幸せw

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