マネー・ボール 奇跡のチームをつくった男 - マイケル・ルイス

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ブラッド・ピットが主演した映画「マネーボール」の原作です。

格安の選手達を起用し、リッチ球団と対等以上に戦ったオークランド・アスレチックス。
アスレチックスが他の球団と何が違っていたのか?

セイバーメトリクスの起源から、それを用いてアスレチックスをプレーオフに導いたビリー・ビーンまでが、素晴らしい構成で描かれています。

野球が好きだからかもしれませんが、もの凄く面白かった。

それまで大リーグ内部では「非常識」とされていた手法を使って、価値を重ねるアスレチックスと、それを理解出来ない(理解しようとしない)他球団の幹部たち。

まぁ、こういう話はどこの業界でもある話ですし、仕事を抜きにしても生活の至る所である話かなぁっと。

ちなみに、アスレチックスが取った「非常識な作戦」としては、

  • バントしない
  • 盗塁しない
  • 守備を重視しない

などがあるんですが、それぞれ理屈を聞くとなるほどなぁっと思ってしまう内容ばかりです。

徹底的にデータを重視して組み立てられた戦略を元に、チームは野球をしていく訳です。

また、高年棒選手をトレードに出して、安いが(アスレチックス的には)素晴らしい能力を持っている選手を獲得して行く部分がビリー・ビーンの腕の見せ所。
これも球界の常識では「重要」とされている能力であっても、アスレチックスでは評価されず、逆に一般的に重視されていない能力がアスレチックスでは評価されると言うことが基本にありますが、そのあたりの話も面白く描かれています。

とにかく、レギュラーシーズンを通して考えた時に、どのような戦略が一番効果的か?っという事を重視して、世間一般的に「意味がある」とされている事を無視を一旦無視した上で、なるべく科学的データに基づいて、一つ一つ理論を構築していった球団が結果としてどういう成績を収めているのか?っという事実は非常に興味深いです。


ただ、野球好きとしては、こういう作戦を取るアスレチックスの試合って、見ていて面白いのかなぁっと言う事が少し気になりました(笑)
どうなんでしょうか?

まぁ、観客動員数を見るかぎりでは勝っている分には動員が増えているので、悪い訳ではないんでしょうね。

2007年以降苦戦しているのは、他球団もセイバーメトリクスを駆使した戦略をたてて来たからなんですかねぇ?

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