1円家電のカラクリ0円・iPhoneの正体 - デフレ社会究極のサバイバル学
経済書の類に入るんだと思いますが、それ以上に深い内容です。
デフレ経済において、商品価格がどんどん下がって行き、小売業者は赤字になっても販売する。
その結果、最終的には無料で商品が提供される。
そういう状況がなぜ生まれ、なぜ可能なのかと言う事を筆者は「逆転経済」という考え方を中心に説明していきます。
序盤は、商品の値下げの仕組みや、赤字の考えかた、その赤字をどのようにして利益に変えていくのかと言う事が中心に書かれています。
価格競争の果てに生じた販売店やメーカーの「赤字」をいったい誰が負担しているのか?っと言う部分は、言われてみれば「なるほどなぁ・・・」っと感じるのですが、それと同時に考えさせられます。
難しい内容に感じるかもしれませんが、非常に身近な例を中心に説明されているので、すらすらと読めると思います。
が、それだけでは終わらないのが本書を「深い」と書いた理由です。
後半「逆転経済」がなぜ発生し、なぜ可能になったのかと言う事を書いていくのですが、そこが面白い。
なぜ利益を上げなくてはならないのか?
なぜより多くの収入を得ようと思うのか?
そもそも何のために働くのか?
普段生活していて「当たり前」と思っている事を考えるという意味で、とても面白く、深い内容の本だと思います。
タイトルは「1円家電のカラクリ0円・iPhoneの正体―デフレ社会究極のサバイバル学」となってますけど、ちょっと客寄せなタイトル過ぎて安っぽくなってるのが残念ですが、一読の価値があると思うので機会があればぜひ読んでみてください。
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