Je m'appelle ライブ封印前夜祭@渋谷 TAKE OFF 7 - 2011.5.20 - ライブレポート

良い感じでライブが出来たんではないかと思いますがどうだったでしょうか?

Je m'appelle の2人にとっても、ライブ封印前の最後のライブと言う事で、尋常じゃないテンションで臨んでいた事が見に来てくれた人達には伝わって居たんではないかと。(色々な意味でw)

ライブを中心に活動しているユニットにとってライブを封印するという事は、大きなリスクを伴う事で、普通に考えたらなかなか出来ない事です。
でも、それを敢えてやろうと言うからには、相当な覚悟で決断したんだとうと思います。

隣に立っていて、ステージに何かを残してこようと言う気持ちはヒシヒシと感じましたよ。
そんな彼らのラストライブをより良いものに出来るようにと気持ちを込めて弾かせていただきました。

当日の模様がユーストリームでアーカイブ配信されています。
よろしければどうぞ!


音声がかなりずれてダブって聞こえるので・・・ですが。


では機材編。

今回で TAKE OFF 7 でのライブも3回目。
過去2回のライブに来て下さったり、動画を見た頂いた方は気がついたかもしれませんが、1回目のライブはまだ良いですが、2回目は外音のギターの音が非常に小さくて殆ど聞き取れない状態だったので、今回は根本的に考え方を変えてみました。

根本的にとか言うと大げさかもしれませんが、今回、外音は完全にライン、つまり POD X3 Live の出力を直接卓に送り、PA から出力してもらいました。

POD はアンプシミュレーターなので、元々はこの使い方が本来?の使い方です。(POD X3 Live に関しては違うけど...)
が、ライブでこの方法を使ってこなかったのには理由があって、モニタリングのリスクが非常に高いからなんですよね。

実は POD XT を使い始めたばかりの頃、LOVE FREEDOM のライブで POD の出力をラインでそのまま PA に送っていた時期がありました。
この方法は、打ち込み系の音楽との相性が抜群で、外音に関しては理想的な音を出す事が出来るのですが、一つだけ致命的な問題があり、それがモニタリングに関して非常にリスクが高くなるという事なんです。

どういう事か簡単に説明すると、通常ギターアンプから出力している場合、それは勿論外音にも使われているのですが、演奏している本人のモニタリングにも使われています。

なので、もし本番中に自分の音が聞こえないとか大き過ぎると感じた場合には、アンプのボリュームをいじる事で対応できます。(外音も変わってしまうので、あまり褒められた事では無いのですが・・・)

が、ラインで送っている場合、手元で操作できるのは POD のマスターくらいになります。
となると、変な話 PAさんがギターの返しを忘れたりすると完全に自分の音が聞こえなくなる可能性があります。
その場合、手元でいくら頑張っても中音は変わらずに外音ばかりが変わってしまう。

まぁ、これは最悪の事態の話ですが、そうでなくても一つのモニタースピーカーからオケとギターと自分のコーラスが混ざって返ってくる感じになるので、上手く Mix されてないと非常にモニタリングし辛くなります。
特に小さいライブハウスなどで反響が多い環境だとなおさらで、何やってるのか全然わからなくなります。

で、実際にそういう経験が何度かあったので、POD から直接ラインで出力する方法は余程の理由が無い限りは使っていませんでした。

直近だと、LOVE FREEDOM のドイツ村でのライブが最後だと思いますが、この時はそもそも会場にギターアンプが無かったので仕方が無いという感じでした。

ですが、色々と考えてみたら X3 LIVE なら問題なく出来るんじゃないかと言う考えに至り、今回はラインで出してみました。


POD X3 Live には DIRECT OUT と LIVE OUT の二系統の出力が有り、2つ同時に利用する事が可能です。
今回は DIRECT OUT の出力をそのまま PA に、LIVE OUT を JCM900 のフロントに接続してライブを行いました。
LIVE OUT の OUTPUT MODE は STACK FRONT です。

何故に、リターンじゃなくてフロントパネルに普通に入れたかと言うと、今回は中音専用なので、自分のモニタリングしやすい音に EQ で調節したかったからです。

どうしても FXリターンに STACK FRONT の組み合わせだとマイルドな音になるので、外音としては耳当たりの良い音になるのですが、自分のモニタリング用と考えると音色によっては聞き取りにくくなってしまったので、今回はフロントに接続しました。
ライブ中に弄っても外音に影響が無いので気軽に変更できますしね。

見て頂いた方の感想を聞く限りでは、上手く行ったのではないかと思います。

いやー、ラストライブに間に合って良かった。
この方法は、Born Blanchir でも使えそうなので、次回のライブで試してみようかな?


その他、機材関係で前回のライブから変更があった部分としては、Ibanez V の PU セレクターやポット・コンデンサー・内部配線を変えたというくらいでしょうか?

前にダンカンストラトのコンデンサーを変えたという記事を書いたのですが、その時に一緒に変えました。
っと言うか、本当は V の改造の方がメインで、ダンカンストラトの方はついでに変えた感じなのですが、ネタ的にストラトの方が面白そうだったのでストラトの方を公開した感じです。

Ibanez V は今までも何度も改造しているのですが、今回の改造の目的は大きく分けて2つありました。
一つ目が「3Way + Push/Pull から 6Way スイッチへの変更」、
2つ目が「ポットをフルアップから CTS へ変更」です。

前者は完全に操作性の問題です。
Ibanez V は前回の大手術でタップ出来るようにして有ったのですが、3Way + Push/Pull って、演奏中に頻繁にタップのON/OFFを切り換えるのには向いてません。

例えば、フルハムのフロントから、タップのミックスとかに移動する場合、「タップしてトグルスイッチで切り替える」という感じで 2段階のアクション必要になります。PUSH は流れの中でこなす事が可能ですが、PULL は結構大変。
ここの辺りをシビアに切り替える必要があるかどうかはジャンルや曲によって違うでしょうが、Je m'appelle のライブでは出来るだけシビアにしたかった。
っと言う事で、PUSH/PULL から 6Way のトグルスイッチ(Free-Way Pickup Switch)に変える事にしました。

それと同時に以前からこの V の問題だったキツくて硬過ぎる音を解消するべく SONIC の FULL-UP VOLUME/TONE から CTS のポットに変更し、ついでにコンデンサーを Orange Drop に、配線材を Belden BHW-1.0 から 8503 に変更し、ボリュームにハイパスフィルターを着けました。

改造後初めてライブで使ってみましたが、とても良くなったと思います。

一気にコントロール部分を丸ごと変更しているので何が原因かは分かりませんが、以前と比べると豊かな音になったと思います。粘りが出た感じ?

この効果が一番分かりやすいのは、タップしたフロントの音を使っているときで、今回のライブで言うと once upon a time の2コーラス目の直前の間奏部分のギターです。
ユーストの動画だと 31分頃ですが、今まではどうしてもこの音が出てくれなくて、もう少しハイ寄りの硬くて薄い音になっていたんですが、良い感じに丸くなり使いやすい音になりました。

Free-Way Pickup Switch の操作性ですが、正直もっと慣れないと、パッと切り換えるのは難しい感じです。
少なくとも 3Way + Push/Pull よりは使いやすいですが、個人的にはブレードの方が楽ですね。


と言う感じで、色々と試行錯誤を繰り返してきましたが、やっと良い感じの音が出せたのでとても嬉しいです。
共演者の方や、見に来て下さった方にギターの事を触れられるのはサポートしてどうなのか悩むところですが、やはり聴いてもらえて「良かった」と言ってもらえると正直うれしいですね。



Palette - Je m'appelle

さて、Je m'appelle のライブ封印ライブ?いかがだったでしょうか?

Je m'appelle のサポートでギターを計 3回、ドラムの教順くんとは 2回目なのですが、個人的にはやっと良い感じで"チーム"になってきた感があったので、少し寂しいですね。

が、いつになるか分かりませんが、また一緒に演奏できる信じて、彼らの活動を見守っていこうと思います!

これからは、音源製作中心の活動スタイルに移行するらしいです。
早速、7月に 2曲発表するらしいので、楽しみに待ちたいと思います。


最後になりますが、ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました。
共演者の皆様、教順君、お疲れ様でした。

そして、MIYUちゃん、Hiroshiくん、本当にお疲れ様。
本当にありがとう、楽しかったです!
また、一緒に音を出しましょう!